前回の①の続きで、最終話になります!

この初日でのこのホテルは私がその後旅行などで利用したフランス国内の中でも一番最低の評価で、サービス精神のあまりないフランスの基準から見ても最低レベルのサービスですが、それでも今では思うのです。まだフランスではあり得る話だと。そしてそれにいちいち反応をして考えすぎるのは精神的に健康的ではないのだと。

今回のように、特に良いサービスを行っていない場所ではよくあることです。自分の担当の仕事以外しない(したくない)人が、客から何か他の担当のことを要求されても他の人に回したりあからさまに面倒な顔をすることは、よくあります。そして面倒なことは関わりたくないと強く思っていますし顔にも出ます。

このボーイたちウェイターは、レストランで働いておりホテルは関係がない、と認識していた可能性があると今では思います。(と言っても無視するのはフランスでもマナー違反ですのでそう言った意味で最低評価のホテルです。)

そしてこのゲストハウスも、おそらく大半がこのレストラン利用客が利用するためのものであると思われます。レストラン利用せず泊まる客、というところに面倒くささを感じたのかもしれません。

もしくは彼は英語ができない様子でしたので、外国人の客ということで面倒に感じたのかもしれません。

もしくは私のフランス語の発音が初日でめちゃくちゃだったのかもしれません。

いくつか推測を書いてきましたが、まとめると私が言いたいのはつまり、向こうは向こう側の都合で動いている、ということです。大切なのは、相手の思惑を私たちは知らないですし、また相手もこちらの気持ちなんて知らない、ということです。相手は相手、自分は自分です。自分の留学初日だという事実を彼らは知りませんし気にもしないです。そこには空気を読んで思いやり、などという概念はありません。

私が客として日本の当たり前を当たり前のように期待していて、その上でフランスの基準の中でも最悪のレベルのホテルにたまたま出会ってしまった、というのがことの真相だと今は思います。

日本のサービスは世界トップレベルだ、外国に行ってそれを求めてはいけないと、散々聞いてきたはずなのに、いざ目の前で体験するまでは本当の意味でそうだなと実感できていませんでした。

世界には日本よりもすごい素晴らしいサービスを行っている場所もあれば、今回のような最悪のサービス体制の場所もあります。このピンキリ度合いが、日本国内のそれの何倍もの振り幅があるのです。日本での最低ラインを軽々と欠けてくる最低ラインが、世界には溢れています

私は初日でこの体験をして、その後も何日か、何が真実なのかを思い巡らし、フランス人を怖く感じていたのですが、幸運にもこれからあとの留学を通してこの最初の最悪な印象を良いものに塗り替えることができました。そしてこのホテルでの一件についての印象も変わったのです。フランスの当たり前はあってないようなものだと感じています。

今回の記事で、フランスでの嫌な思い出という少しヘビーなものをお伝えすることになりましたが、これからの記事を読んでいってもらうことで私の時系列に沿って一緒にフランスのイメージを塗り替えていければ、と思います。