「良い機会やんか。行ってきーさ。」 

 私がハワイへ短期留学するか迷っていた頃、一番積極的だったのは私の母でした。 

 私は大学入学時、漠然と交換留学に1年いけたら良いなと思っていました。1年行ったら流石に言語はある程度身につけられる自信があったし、何より私はヨーロッパに憧れがあったから。 

 ですが、1年の冬の、英語の授業の終了間際の時でした。とある留学の奨学金の案内が配られたのです。それは、その年に特別に設けられたもので、ハワイ留学の半分以上の額を免除してもらえるものでした。 

 「え、めっちゃ良いやん!」 

 その時、その案内を眺めながら、新しい可能性に胸が高鳴っていたような気がします。これはチャンスだと! 

 さっそくサークルの先輩から頂いた留学冊子を広げて、留学について調べました(↓これですね笑)。

その奨学金の対象となるのは、ハワイ、オーストラリア、シンガポールや中国などの短期留学です。

確かに私は、ヨーロッパに行きたかった。その気持ちはあったけれど、それはまた行けばいい。そう思いました。 

 でも、当初の私は、「短期留学って遊びのイメージあるし、ハワイって海以外何があるんやろ…。良いところって聞くけど、することあるんかな?」と思っていました。私はヨーロッパの街並みや独特の文化に憧れがあり、活発に動き回りたいタイプだったので、奨学金がでるとはいえ、多少お金はかかるため少し消極的でした。 

 しかし、 

 「ハワイ良いところやったって。行ってきたらいいやんか。」 

 そうやって何度も母に背中を押され、私は(泣きそうになるほど笑)バイトで苦労をし、大切に貯めていたお金を振り込むことに決めました。 

 2年の春。コロナウイルスが本格的に猛威を振るう直前でした。この期間を逃すと、または国が違うと、留学を満了できなかったかもしれません。 

 ハワイのニュースには、日本を始めとした多くの国でコロナが深刻化しているとの情報が流れてきました。ですが、ハワイではそんな様子は少しもなく、みんなが街に出かけて、海や食事を楽しむ、普通の日常の風景がそこにはありました。 

 そしていざ、留学に足を踏み入れたわけですが、結果として、私はハワイで短期留学をして良かったなと思います。 

 

 それは、確かに私が初めにヨーロッパに求めていた目に映る綺麗な街並みとかではありません。ですが、ハワイに住む人たちの、マイペースで明るい気質や、土地の居心地の良さ、豊かで雄大な自然や海、広々とした大地に触れ、私は自分の日常を見つめなおす機会になりました。そして、忙しい毎日でずっと張りつめていたこころの膜が、ゆっくりと溶けていったような気がしました(そういったエピソードについてはまた今後紹介します)。さらに、とっても心優しくて面白い今の私の友達に出会えることになりました。

 

 私はここで、何でもやってみる価値はあると思いました。 

 自分の知っている範囲内で、自分の行動を決めてしまうのではなくて、時にはそんなには気が向かなくても、やってみたら新しい発見や出会い、良いことがあるかもしれない。それ以降、私は何でも自分の意思だけを頼りにせず、なんとなく流されてみることや、声をかけられたこと、たまたま目に触れたことに、余裕があれば気楽にやってみようという気持ちになりました。 

 そういう生き方が「良い」ということではないし、自分の強い意思で決めていくことはとても大切だと思います。ただ、時にはそういうこともあって良いのではないかなと思います。 

皆さんのなかで、留学のチャンスや国際交流、それ以外のことでも何でも、やってみたいけど迷うなあと思っている人がいれば、重く考えずにやってみるのが良いのではと思います。ただ、得られるものが、元々自分が求めていた形とは限らないかもしれません。やってみて、上手くいかない、違ったなと思うことはあるかもしれません。でも、それが人生のなかで、違う形で新しい何かに派生したり、大切なものが得られることは、私の人生で至る所にありました。 

 そうした心境の変化のあったハワイ留学のお話を綴っていくので、順を追って記事を読んでいただければ幸いです! 🌺🌺🌺(↓フランダンスの様子🌺)